杜の木漏れ日

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延段づくり

この前足袋を履いたのがいつだったか思い出せないほど、長靴とカッパの日々です。
寒空なのに、連日、汗まみれの泥まみれ。
空も泣いていますが、植木屋も泣きたくなります。

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そんな中ですが、クレーンを使う作業も終わったことから、今日は、いつもは朝市で使っている小屋材を現場に持ち込み、石張り作業(延段)を行いました。

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厚さ10~20㎝ほどの石を、モルタルを使わずに畳んでいきます。
日本庭園の敷石には飛石と延段があり、和風の庭によく使われますが、これらはすべて、露地(茶室の庭)から発生した伝いです。
石と石の間を空けていく飛石に対して、隙間なく石を敷き詰めていくやり方を「延段」といいます。
「真・行・草」など、使う石や形、庭の格式によって敷き方も様々ですが、今回のように縁を揃えないランダムな敷き方は「草」の格で、「草」の中でも最もくだけたやり方なので「草の草」といったところです。

しかし、ここは茶室ではなく、どちらかというと山荘の佇まい、和風ではなく自然風のイメージなので、山道や峠道といった風情で、多少凹凸のある石を使いワイルドに畳んでいます。
不整形な自然石を大中小とバランスよく組み合わせていくのが難しい所でもあり、この延段の面白さでもあります。

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踏圧による沈下防止と、雨で土ぎめができないため、砕石で突き固めていきます。
モルタルぎめの延段は表面排水の流れを止めてしまいますが、砕石を深く敷くことにより、ここに集まった水が地下へと自然浸透していきます。

こうして見ると、本当に凹凸があることがわかると思いますが、これが、山石で畳む延段の魅力です。
目地を取らず、石と石をガッとかみ合わせていくので、石張りというよりは石組といったほうがいいかもしれませんね。

1人で一日敷いて40個ほど。面積にすれば、1㎡ぐらいでしょうか。
1個据え付けるごとに離れてバランスを見るので、けっこう時間が掛かります。
レンガなど、形の決まったものは使う分だけを持ち込めばすみますが、不正形な石を現場の感覚で畳んでいくためには、使う量の3倍ほどの石を持ちこみます。
採石場で1個1個選んできた石を、現場でさらに厳選しながら畳んでいくので、延段は選び抜かれた石の集合体といえますね。
素材を探す手間、現場で合わせていく手間など、手仕事は、手間をかければかけるほど良くなり、その庭にしかない味わいが生まれていくので、作る側のやりがいもひとしおです。

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よく見ると、石の色合いが微妙に違います。
同じ採石場で採れる寒風石ですが、溶岩の冷える温度によって、色や硬さがかなり違います。
同色で揃えるのも統一感があっていいのですが、様々な色合いが入り混じることで、地球の変動の歴史を感じることができ、それもまた趣があります。


ということで、こちらの庭づくりも、いよいよ佳境に入ってきました。
明日も雨予報。
市日小屋に頑張ってもらいましょう。

Comments 2

紅の葉  

脇本さんへ

脇本さん、こんばんは。
連日の雨ですが、何とか今日で石仕事が一段落しました。
暗くて写真撮れなかったので、後日改めてご紹介します。

このように、ランダムな石の敷き方のことを「あられこぼし」といいます。
「愚痴はこぼさずアラレをこぼせ!」
を座右の銘にしようかと思っています(笑)。

2012/11/09 (Fri) 21:30 | EDIT | REPLY |   

脇本  

コンセプトによってさまざまな石の並べ方があるのですね。

完成がとても楽しみです。

2012/11/09 (Fri) 20:16 | EDIT | REPLY |   

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