杜の木漏れ日

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オンコ(イチイ)の雪吊り

この季節になると、新聞やテレビなどで雪囲いの作業を目にします。
先日も、「風雪から樹木を守る」という記事が地元紙にあり、興味深く拝見しました。
記事では雪吊りのことを書いてあって、雪吊りの目的を「雪の重みで枝が折れないようにする」とありましたが、雪の重みで枝折れしないように、枝折れするような枝を始めから外しておく、という方法もあります。

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毎年、夏場に枝透かしをしているオンコです。
通常、この手のオンコは縄巻きされるか、その上からムシロやヨシズ、あるいは板などを掛けて頑丈に囲われるようです。

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木の内部から見るとわかりますが、枯枝や重なり枝を外し、枝葉の間から空が見えるぐらいに透いています。
枝葉の間に隙間を作ってあげることにより、雪が枝葉の間を落ちていくことができます。
また、重なり枝が無いことから、枝に載った雪が重みでしなり、枝が自分で雪を落とすのです。

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このオンコにも雪吊りを施していますが、これは補助的なもので、どちらかというと冬景色の風情のために付けてあります。
こちらは海岸地方で積雪50㎝程度の所ですが、オンコは寒潮風にも強いことから、屋根からの落雪や道路からの除雪を受けない所では、このぐらいの養生で十分です。
自然状態での雪による枝折れは積雪と接する下枝が害を受けやすいため、雪吊り縄で裾の部分だけを吊ってあげています。
こうすることで、冬でも夏場とそれほど変わりない姿のままで維持できます。
以前は枝葉が多かった木ですが、寒潮風に慣れさせるために少しずつ枝を抜き、今の形に変えてきました。
このやり方になって10年ほどですが、雪が乗りやすい上部の枝折れなどもほとんどありません。
積雪量の程度にも寄りますが、透かしと併用すると、雪囲いの養生も軽微で済むという実例です。


当地では、松やオンコ、ツゲなどの仕立木は枝葉を混ませてボリュームある姿にすることが多いですが、枝葉が多いと雪の害を受けるのは必定。
剪定の際に冬場の養生のことも考えて手を入れてあげることで、庭の管理費も軽減できます。
一番いいのは、落雪や除雪の害を受けない場所に土地に自生する自然樹形の木を植え、自然形を維持することですが、すでに作られた仕立木の多い庭などではそのようなわけにもいきません。
しかし、剪定法や樹形を変えてあげることで囲いの手間を軽くすることはできるので、古い庭の大きくなった木などの管理を相談された時などは、透かしとの併用をお勧めしています。
雪から守るのではなく雪に強く、雪を受け流す姿にしてあげることで、木を雪害から守るというやり方を紹介しました。


下記は、以前に書いた関連記事です。
雪吊りと雪透かし
オンコの透かし
雪囲い(注 一部、内容と関係の無い写真が入れ替わってしまっています)
ヒバの透かし

Comments 2

紅の葉  

脇本さん、こんばんは。
同じ雪国でも、気候や雪質、その地の庭の文化などによって手入れの仕方は変わるようです。
同じ樹種でも、時期に合わせて透かしの程度を加減しますが、関東もこちらも透かし自体は基本的に同じで、この加減の程度が違うのだと思います。

昨年、冬に雪の乗ったヒバの透かしをやりました。
よろしければご覧ください。http://konohanoniwa.blog61.fc2.com/blog-entry-492.html

2012/12/07 (Fri) 21:18 | EDIT | REPLY |   

脇本  

雪透かしですか~やはり地域によって手入れは違うものなのですね!!
私の住んでいるところは雪が全然降りませんので、雪吊りは施工したことがありません。
是非習いたいものです^ ^

2012/12/06 (Thu) 18:51 | EDIT | REPLY |   

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