杜の木漏れ日

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山形の庭その後

3月より出張作庭している山形での作庭も、完成間近となってきました。

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露地の起点部分です。
建物際の雨落部分を枯れ流れにし、石橋風に据えた切石の上を渡っていきます。
山形には高畠石という凝灰岩の産地がありますが、そこで見つけた古材です。
山寺を始め、山形市内にはこうした石が多く見られ、茶室の伝いなどにも使われています。
多少凹凸のある、足擦れした風合いが時の流れを感じさせてくれます。

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石橋からは川石の延段へと変化。

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曲がりのある草の延段。
小石大の川石を畳みました。

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延段の脇には、庭の土留めとして小さな崖をつくっています。
建物を解体した時に出た壁土と敷地から出た赤い山土をブレンドしたものですが、表土が崩れ、地層が浮き出てきた様子を表しています。
この崖は、少しづつ風化して剥がれていきますが、剥がれ落ちた土が盛り上がり、強い雨で窪みができたり溝ができたりしながら、やがて苔が侵入し草が生えてくるでしょう。

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中門の枝折戸。
枯れ流れが内露地と外露地の結界になることから、四つ目垣などは省略しています。

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一カ月前に組んだ蹲踞も、周りに苔が入ったせいか落ち着いてきたようです。

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内露地の飛石は既存のものですが、土中から出たものの他、解体した建物の柱の束石だったものもあります。
50年の時を経て、縁の下の力持ちだった柱の石が庭で日の光を浴びる。
縁の下から緑の下へ、今度は伝いとして活躍してもらいます。

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流れの中の飛石。
お施主さんお手持ちのひき臼を沢飛びとして使い、敷地から出た、欠けた瓦を合わせてみました。
何に見えるでしょうか。
山形なので、サクランボをイメージしています^^。

作為を見せない露地でこうしたことはあまり行わないと思いますが、こちらは普段使いの庭なので、茶事に支障が無い程度にこうした楽しみも少し入れています。
肩肘張らず庭を楽しむ。
こんなことから話が弾み、庭を訪れた方に笑顔の花が咲けば嬉しい。
桜満開の山形で、そんなふうに思いながら遊んでみました。


この1カ月の間、山形で暮らし、山形の山や川を歩き、土地の庭を見、食を体感しました。
土地の気候風土や文化を知らずして、その地に庭をつくることはできないと思っていますが、現場発生の残材をどう生かすか、残材をゴミにするのではなく素材にするにはどうしたらいいか、植木屋の知恵と工夫をフル回転した日々です。

知恵は地の恵。
その地の恵みを知った上で知恵を働かせ、そこにあるものを庭にする。
秋田の植木屋が山形で庭をつくるのではなく、自分が山形県人になったつもりで庭をつくる。
そうしなければ、山形ならではの庭にはならない。
そんな思いで取り組んだ庭も、完成まであと少し。
建物ができるまで間を空けますが、また山形に帰るのが楽しみです^^。

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