杜の木漏れ日

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足下の緑

久しぶりの更新です。
気が付いたら、前回の更新から1月近く経っていました。
追々、作庭の方も紹介していきますので、ご覧いただいている皆様には、今後ともよろしくお願いいたします。

さて、先日、以前に作庭させていただいた庭を見に伺いました。
作庭から7年が経ち、年々緑が深まってきていますが、特に目を見張るのが足下の緑です。

その地の気候や木々の成長、手入れの仕方などで庭の環境は変わりますが、そうした変化に伴い、足下の植生も変遷していきます。
同じ庭の中でも、木陰の深い所や水気のある所、落葉樹の下と常緑樹の下などでは微妙に環境が違い、そこに合うものは自然と増えますが、合わないものは消えていく。
森の林床の生態系のような現象が庭の足下にも起きているのは、とても興味深いものです。

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写真は、7年前の作庭時の姿です。
護岸には砂苔を張り、土が流れるのを留めています。

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翌年の6月、下草を補充したころの写真です。
心なしか、石の色も庭に馴染み、苔が少しづつ増えてきています。

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5年後、苔は砂苔から水に強い苔に変わり、護岸を埋め尽くしています。
砂苔は日当たりには強いのですが、水に接する部分はあまりよくなれません。
苔を張り変えたわけでもなく、自然に水際の砂苔が弱まり、水に強い地苔が生えてきたのです。

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同じ流れの上流部分。
地産の山土を洗い出した川底に、薄く水が張っています。

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5年後、川底から剥がれた砂利土につかまりながら、いいあんばいに苔が広がってきました。
流れの周囲には大文字草も生えていますが、これも作庭当初に数株植えたものが、徐々に増えてきたものです。
足下の緑が深まることにより、作りたての頃の若さや硬さが抜けてきました。

こうした野趣的な雰囲気は、作者がつくったものではなく、植物たちが自分の力でそうなっていったものです。
庭の成長を見る度、時の力と自然の偉大さを感じるこの頃です。

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