地元紙寄稿 「緑のトンネルを訪ねて2  ~ 能代にもある緑陰の道 ~」

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今朝の地元紙に拙文が掲載されました。
今回は、「緑のトンネルを訪ねて2」と題して、県内外のケヤキのトンネルを紹介しています。
原文と写真を下記にご紹介いたします。
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[緑のトンネルを訪ねて2~能代にもある緑陰の道~]

お寺や神社には大きな木があります。大木には神が宿ると言われますが、能代の神社仏閣で見かける木といえば、真っ先に思い浮かぶのがケヤキ。ケヤキは土地の守り神として古くから崇められてきた木ですが、大きなケヤキの下にいると、何とも言えない心の安らぎを感じます。これは、守っていただいているという安心感に包まれるからなのかもしれません。ケヤキは身近な街路樹や公園にも植えられますが、今回は街なかにあるケヤキのトンネルを探してみました。

[二ツ井のトンネル]
写真1 二ツ井小学校前のケヤキの街路樹

写真は二ツ井小学校前のケヤキ並木です。何度かブツ切りにあった木たちですが、ようやくケヤキらしくなってきました。この通りの先には銀杏山神社がありますが、もうすぐ「連理の銀杏」のように手を繋ぎます。二ツ井は恋文の町。そう思うと、このトンネルもハート型に見えますね。ここは通学路なので、真夏の日差しから子供たちを守ってくれる、とてもありがたい存在です。二ツ井小学校の校歌には「森の学び舎」という歌詞が出てきますが、ケヤキがここにあることで校舎が森の学び舎になり、街と山を繋いでくれています。植えてから20年以上が経過、現在は県管理ですが、植栽は二ツ井町が行ったものです。ケヤキの花言葉は「重厚、長生き」ですが、きっと、重厚な街づくりと町民の長寿を願って植えたものでしょう。長寿の願いを込めて植えられた木々は今、雨傘になり日傘になり、子供たちを守ってくれています。まるで、孫を愛でるおじいさんおばあさんのようです。

[五城目のトンネル]
写真2 木陰で町民が憩う五城目町のトンネル

ケヤキは扇状に枝を広げる独特の樹姿をしています。この自然形を尊重してあげれば、街路樹などは黙っていてもトンネルになります。五城目町では街なかの至る所でケヤキのトンネルを見かけますが、これは、国県町道がケヤキで統一され、そのすべてを町が一元管理しているからです。写真は、あまりの素晴らしさに町役場に飛び込み、担当の方から提供いただいた一枚。職員の方に管理法を聞くと、通行支障にならない枝はできる限り伸ばし、ケヤキらしさを活かすようにしているとのこと。この方は専門職員ではありませんが、緑のことをこれほど理解している行政職員に初めて会いました。まだ能代がブツ切りを繰り返していた頃のこと。あまりの感動に握手を求めたほどです。五城目では、夏には木陰の通りが歩行者天国になるなど、街路樹が町民の憩いの場になっています。緑との共生を楽しむ好例です。

[表参道のトンネル]
写真3 見事な枝張りのケヤキ並木(東京都・表参道)

二ツ井や五城目の街路樹は2車線道路ですが、もっと広い通りでも、時間をかければトンネルはできます。表参道(東京都)のケヤキ並木は4車線ですが、大きな枝張りが連続する様は見事としか言いようがありません。さすが、「街路樹百選」に選ばれるほどの並木です。仙台の定禅寺通り同様、緑のビジョンを持つことの大切さがわかる街路樹です。

[能代のトンネル]
写真②街路に木陰を落とすケヤキ公園の街路樹

国道101号のけやき公園周辺には4車線のケヤキ並木があります。公園側の並木はお寺の木を残したものですが、風格ある巨木が街並みの景観を高めてくれています。街路樹は明治期に西欧から伝わった文化です。それまでの街道の並木と区別するために「近代街路樹」とも呼ばれていますが、150年にも満たない歴史の中で、樹齢200年を超える木が街路樹になっている例は少なく、この通りの木々の存在は、まさに「日本一」と言えるでしょう。街路樹として植えられたものではないものを街路樹にする。先人は私たちに素晴らしいものを残してくれました。この偉大な先見が、並木を「日本一の街路樹」にしているのです。公園側の並木は道路の中央線付近まで枝を伸ばしていますが、片側だけの木で、広い道路全面に木陰を落としています。他でこんな光景を見たことがあるでしょうか。この並木は「能代の一番」どころではない、まぎれもなく、全国に誇れる「日本の一番」です(「能代の一番」は市民が選ぶ景観募集事業)。

能代にはまだまだ緑のトンネルがたくさんあります。皆さんも、身近なトンネルを探してみてはいかがでしょうか。

※ けやき公園の街路樹の写真は昨年9月に撮影したものです。この通りの街路樹は大型七夕の運行支障により切り詰められました(参照6月15日付本紙記事「街路樹のケヤキ枝切る」)。
   能代市二ツ井町 福岡 徹

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