杜の木漏れ日

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山形市の露地 木賊塀と水仙

茶室建築に合わせて進行中の、山形市内の露地に行ってきました。

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今回は、庭の背景として新たに木賊塀が入りました。
あまり主張しないシンプルなものがいいのではと話し合い、地元の元請け大工さんが手掛けてくださったものです。
完成したばかりですが、真新しさを感じず目立ちません。
私自身、庭に入ってもその存在に気付かなかったほどです。

青竹は.作り立ての頃の清新さも魅力ですが、色が変わっていくところに味があります。
骨組材はヒバ、小屋根も付いているので、かなり長持ちすることでしょう。

木賊塀は積雪で傷まないよう下部を少し空けていますが、今回の仕事は、この部分に、春に寄せておいた水仙を植えることでした。
こちらの庭づくりはこの水仙の仮寄せから始まったので感慨もひとしお。ご先代の代から大切にされてきた花を、庭に植え戻してあげることができました。

露地に明るい草花というとお茶の約束事に反するのではないかと思われるかもしれませんが、こちらは、普段使いの住宅の庭に露地の機能を持たせたものなので、これでいいのです。
露地づくりで一番重要なのは、亭主の茶道観だと言われています。
客を招く主の思いを庭に反映するのが私たちの仕事。
大切なのは、その庭で暮らす家族の思いです。
それは、一般の庭でも露地でも同じこと。
この水仙が、それを表してくれています。

芽出し前の庭に、黄色い花が一面に咲いたらどんなにきれいでしょう。
来春の雪解けが今から楽しみです。

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数寄屋大工さんが手掛けている茶室の土庇も付き、庭の景色も格段に上がりました。
深い土庇が視線を低くしてくれるおかげで、お向かいの壁もさほど気にならなくなったようです。
「屋根が庭の景色をつくる」ということを意識したのは今回が初めて。
それを計算されていた大工さんの想像力に驚きますが、建築と同時進行させていただいているおかげで、こうしたことを経験できました。
今回は庭奥の両端にあるモミジの手入れも行いましたが、枝が中央付近まで伸びてくれば、緑がさらに深まってくるでしょう。

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お施主さんが張られた苔もかなり厚みが増し、延段の目地にも侵入してきました。
時間を掛けながら、「苔目地の延段」へと成長していきます。

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据え付けから半年経過し、蹲踞も庭の色に馴染んできたようです。

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今回は、8月に見つけた諏訪神社の街路樹とも再会。
イチョウも黄葉、神々しい雰囲気を漂わせていました。

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こちらは、すぐ近くにある紅葉公園。
来週あたりが見ごろかもしれません。

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紅葉公園には「宝紅庵」という公共茶室がありますが、こちらの庭門と塀も木賊張りになっています。
山形市はお茶がとても盛んで、宝紅庵も市民茶会などでよく使われる所。
同じ垣根になったことで、お茶事の際の会話も弾むかもしれませんね。

茶室完成の暁には、最後の仕上げに行きます。
また、成長した庭と会うのが楽しみです。

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