杜の木漏れ日

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凝灰岩の文化~二ツ井と山形の庭や建物から~

きみまち阪

二ツ井町の名勝、きみまち阪。
黄色い岸壁に松の緑や紅葉が映える様は、言葉にできない美しさです。

きみまち阪 1

きみまち阪の岸壁は、ポツポツと穴の空いたような凹凸のある石肌をしていますが、この石質は凝灰岩と呼ばれて、火山灰が堆積してできたものと言われています。

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きみまち阪は県定公園になっていますが、園内には露頭岩も各所に見られます。

石切山

向こうに見える山は採石場ですが、この石は軟らかくて加工しやすいことから、昔から家の土台や流し、石垣などに使われてきました。

きみまち3

石は二ツ井町から藤里町にかけて分布していますが、地元で庭をつくる時など、古いお宅や農家などにはこの石の土台が残っていて、それを利用してつくる時があります
写真は、そうした古材の石を、敷石やベンチに転用した庭です。

真土

露頭するように組んだ庭石や水鉢も同質のもので、現場の土中から出てきたものを使いました。
土地の古い庭で時々見かけますが、昔は庭石としても使われたようです。

十和田石1

大谷石によく似たこの石は、県北部で産出する十和田石という石。
昔は塀材として使われましたが、最近では、ざらざらとして滑りにくい利点と緑がかった色合いを活かして、温泉などの床材に使われています。
ここでは、塀材だった石をテラスと園路に使用しました。

山寺

昨年山形市で仕事した際、山寺に寄りました。この山も凝灰岩ですが、参道にも岩壁や露頭岩がたくさんあり道にも同じ石を敷き詰めています。

山形 宝紅庵 敷石

山寺は山形市郊外にありますが、この凝灰岩は市内各所で目にすることができます。
それだけ、この地にとっては身近な石で、昔から使われてきたのでしょう。
写真は、紅葉公園内にある「宝紅庵」という茶室ですが、ここでは、前庭の敷石や露地口の踏石などにも使われています。

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園内にある東屋の敷石も、同じ石で組まれていました。
新たにつくった建物にも、こうして土地の文化を残していっている所に、ふるさとを大切にする心をを感じます。

高畠石

こちらの庭は昨年山形市で作庭した露地ですが、手前の長い飛石は高畠町という所で採れる石です。
実際に採掘場を視察してきましたが、やはり凝灰岩で、加工された石材が町の特産になっていました。
この飛石は、石材置き場の片隅で見つけたものですが、多少凹凸のある足擦れした雰囲気が気に入って、譲っていただいたものです。

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こちらは、子供たちが通う二ツ井小学校ですが、柱の土台に凝灰岩が使われています。
昔のように、住宅の建築材として使われることは少なくなりましたが、地場産の木材を使う公共施設などでは、昔ながらのこうした文化が活かされています。

二ツ井でも山形でも、土地に古くからある凝灰岩の文化が根付いています。
山寺や高畠の山は景観的にもきみまち阪と似ていて、とても親近感を覚えました。

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