杜の木漏れ日

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つなぎの庭

先日、市内の介護施設に作らせていただいた、半坪ほどの庭です。
玄関前のわずかなスペースに、疎林をつくりました。

つなぎ8

素材のほとんどは既存の物で、裏庭に生えていた雑木と苔を移植、背景の乱杭も、倉庫にあったものを活用し、塗装を施したものです。

カマヅカやヤマモミジ、アオハダ、アオダモ、クロモジ、ヤマツツジ等、当地に自生する山の木を寄せ植えしましたが、この小さな疎林が、建物裏の里山と繋げてくれます。

うなぎ7

上空に、枝を伸ばす木々。
ここに緑があるだけでも潤いを感じますが、木が屋根より大きくれば、来訪される方に木陰を提供することができます。
そうなれば、裏山との一体感もさらに増し、森のような雰囲気も出てくることでしょう。

つなぎ3

苔の中には、裏庭で見つけた切株を埋め、ポイントにしています。
よく見るとキノコが生えていますが、お年寄りが利用する施設なので、こんな演出も喜んでいただけるのではないかと思います。

つなぎ5

雪で鍛えられた、根曲がりの幹。
長い冬を超え、春を迎える喜びを感じさせてくれます。

つなぎ4

今回の作庭は、素材の選択やデザイン等、若いスタッフが担当。
完成後に見に行くと、木に名札が付いていました。
作庭中、「これは何の木?」とよく訊かれたことから、木札をつくってみたそうです。

里山の木々は、生活の中で使われてきた木なので、お年寄りの方々にもなじみのあるものが多いようです。
クロモジなどは、当地では「トリキシバ」と呼ばれますが、今でも、畑の柴などに使われています。
これから、芽が出て花が咲けば、木々への関心も高まります。
名札があると、ふるさとの木に対しての親しみも、さらに増すことでしょう。

つなぎ1

こちらの施設は、二ツ井町小繋にある「つなぎの里」です。
向かいには七座山の原生林が広がり、敷地の周りも山で囲まれていますが、今回植えた木々も、この山々に自生しています。
建物越しに同じ木があることで、庭と山が繋がりました。

庭をつくる時、私が一番大切にしていることが「つなぐ」ということ。
山と街を繋ぎ 土と石を繋ぎ、草木と大地を繋ぎ、大地と人を繋ぎ、人と人を繋ぐ。
このスペースが、いろんなことを繋いでくれたらと願っています。

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