露頭の道を登る山のテラスの庭

山の木の間を露頭の道沿いに登っていくと、木立の中にテラスがあるといったイメージです。
景石の上にはプランターが乗っていますが、これはそのための役石です。
こちらにはプランターがたくさんあるので、庭の所々に平らな石を据えています。

テラスには枕木のベンチを置いて一休みできるようにしましたが、ここからは流れが見えます。
水源は流木の筧にしました。
水鉢は、今春使った割れ石臼の双子の妹が、めでたく嫁入りです。
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山の感じを出すために、テラスの石張りも、ゴツゴツとした厚みのある山石で畳んでいます。
石敷きの周りに植えてある下草は、既存のイチゴを植え直したもの。
イチゴを庭に植えるのは初めてですが、フッキソウのような質感で面白いと思います。
庭を散策しながらちょっとイチゴを摘むというのもまた、楽しいかもしれませんね。

テラスからは、沢飛びや石橋を渡って降りていきます。
山から降りるには沢を三回渡りますが、歩く楽しさを味わっていただくために、全て違う形にしています。

流れは、時間を掛けてゆっくりと水が流れるように、大きく蛇行させました。
蛇行すると石や植栽などの陰になって水面が見えなくなるのですが、見え隠れする奥ゆかしさもまた、日本的でいいのではないかと思います。

川底は、県産の土に土地の砂利と現場の赤土を配合、洗い出したものです。
植栽も、ガマズミやヤマモミジなど周囲の山にある木を植えていますが、土地のもの、その家のものを使うと馴染みもよく、庭と家、山が繋がってくるような気がします。

石橋で一度視界から消えた水は、小滝となって伝い落ちます。

土留めの石積は、赤っぽい溶岩のような石をランダムに積んでみました。
あまりキチッとは積まずに、下草を絡ませながら、時間が経過して苔が乗ってきた感じを出したいと思いました。
葉が落ちて寂しくなるこの時期、紅白の大文字草とムラサキシキブが庭に彩を添えます。
ここは山なので、木の幹も沢に向かって曲がっています。

流れは、細く長く続いていきます。

石が余ったので、露頭の道の脇に石灯りをつくってみました。
石の割間の奥にあるのは、こちらにあったソーラーの庭園灯です。
うまく光ってくれるといいのですが。
というわけで、一期工事、無事終了です。
後は建築工事の進行状況を見ながら、残った建物周りの植栽をしていきたいと思います。
福岡造園の庭は、人が入って始めて完成する庭。
ということで、お約束の花ムコ殿にご登場願いました(笑)。↓

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