杜の木漏れ日

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街並み景観と調和する看板を考える

先月、専門誌で紹介する写真を撮るため、知人にけやき公園の写真を撮ってもらいました。
その時に感じたことを少し。

けやき公園の森

歩道を挟み、車道側が県管理の街路樹で、右側が市管理の公園となっています。
どちらも、移転したお寺の境内の木を保存したもので、今は管理も別々ですが、このぐらい引いて撮ると、一つの森であることがわかります。
私自身も撮影に立ち会い、ここから見ていますが、写真になって見るとこの街路樹の迫力はやはり素晴らしく、専門誌ではこのカットを使いたいと思いました。
ただ、手前にある赤い看板がちょっと目に残ります。

こうした看板なども景観に配慮した色や形になれば、街並みとも調和が取れてくるような気がします。
時々、市内の商店などで木の看板を見かけますが、歴史や雰囲気を感じて、いいなあと思います。
能代は「木都」なので、木の街や緑を引き立てるような看板があれば素敵だなと、写真になったこの景色を見て、そう感じました。

ケヤキ郵便局

写真は、昨年東京で見た甲州街道のケヤキ並木です。
左側にオレンジの看板が見えるのは郵便局ですが、森の中にある郵便局といった感じがとても素敵でした。

ケヤキ郵便局 (2)

近寄ってみます。
やはり看板は目立ちますが、敷地の中にも並木と同じケヤキを植えているため、緑が看板の強い色を柔らかくカバーしてくれていました。
看板は企業のイメージや理念を表すトレードマークなので、そう簡単に変えられるものでもありません。
来訪者への案内でもあり、ある程度目立たなければ遠方からの目印にならないため、景観との調和は難しいものがあると感じていますが、このように、木を植えてカバーするという方法もあります。

こうした緑が豊かな所では、看板に支障の出ない程度で敷地に周囲と同じ木を植えれば、景観が繋がります。
公園が背景となるような場合は、公園にある木と同じ種類の木を1本植えることで、背景の森を借景とすることもできる。
企業が街並み景観との調和に配慮し、積極的に貢献するということは、企業イメージのUPにも繋がることでしょう。
景観条例が制定されている所では、風致地区などに看板を付ける際、景観に配慮した規制があります。
でも、風致地区に指定されていない所でも価値ある景観はあり、条例など無くても、企業の側からそうしたことを考えていけば、より地域に密着した、親しみある施設になるように感じています。
こうしたことを、建築設計の側も考慮し、提案されるようになればと思います。

看板規制0

さて、またけやき公園に戻ります。
街路樹と公園の大ケヤキがつくる緑のトンネルは、こうした景観の少ない能代では特別な場所ともいえます。
管理者の違う敷地の双方の樹木が枝を伸ばし合えているということは、実はとても素晴らしいことで、管理者同士に緑の連携があることを示しています。
それだけ、市と県の双方が、この緑地を大切に思っているということでしょう。
この写真は、街路樹の太さや街並みの風格がわかるとてもいい写真なのですが、やはり赤いノボリが目に入ります。

看板規制1

反対側から。
木の並びがよくわかる写真なのですが、赤色は強烈なので、どうしても目に強く残ってしまいます。
ノボリは、行政が市民に事業を知らせるための大切な周知として、必要で掲げているものですが、景観写真にはあまり入れたくなく、もし、ここを、景観意識の高い県外からの観光客が見たら、どう思うだろうかと、そんなことを考えてしまいました。

看板規制4

これは、昨年の夏、同じ撮影者の方に撮ってもらったものですが、木陰の大きさや緑の陰影がわかる、いい写真だと思います。
でも、この時もやはり、ノボリがありました。

看板規制2

これは、数年前に私が撮ったものですが、やはりノボリがあります。
この年、能代では景観写真展があり、これはその時に出展した写真です。
この時は選挙が近かったこともあり、木製看板も立っていました。

看板規制3

ノボリが立っていない時の写真。
やっぱり、緑だけの方が、公園は美しく、街路樹も映えます。

ノボリは、市民の目に付かなければ意味が無く、人の往来のある所など、目に付きやすい所に立てられます。
それだけこの公園は、市民にとっての身近な場所だということなのでしょう。
でも、隣が市庁舎なので、こうしたものは、庁舎の敷地への掲示で十分なのではないかと思います。
能代市は昨年、緑の基本計画を策定しましたが、せっかくの緑の景観を殺さないためにも、景観条例の策定なども視野に入れ、美しい街並みづくりを行うにはどうしたらいいのかなど、景観意識の醸成を図ることもしていただきたいと思っています。

IMGP0477_20140602110602f41.jpg 

この看板は、能代市内を走る国道7号線沿いにある看板です。
延長日本一と言われる「のしろ黒松海道」の標柱ですが、「市民が選んだ日本一の黒松並木の愛称」と書かれています。

IMGP4421.jpg

こちらは、横浜市の「近代街路樹発祥の地」の看板。
地元商店街の方々が、まち起こしや観光促進として建立されたようです。

上記二つのような看板が、けやき公園の歩道にもあったらどうでしょう。
ここは、周知の効果を見込めるほど往来のある所。
どうせなら、景観保全のための、文化的な看板がほしい。

そんなことを感じた、写真撮影でした。

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