杜の木漏れ日

ARTICLE PAGE

山道の庭 完成

施工中だった秋田市の庭が完成、無事、お引き渡しとなりました。
出来上がった庭の様子を、施工前の状況と併せて、ご紹介します。

1-1①

着工前の様子です。
雪国では、冬期、除雪車によって寄せられた雪が道路際に盛り上がりますが、道路と庭の距離が近かったり、路面と庭地盤がフラットな時など、寄せられた雪の圧力で樹木が傷みます。
その防止として、頑丈な雪囲いを行うのが一般的ですが、それでは毎年の経費が掛かる。
今回は、そうしたことを考えて、強度の高い土留を設け、一段高い所に樹木を植え直すことになりました。

1-2①

玄関の両側は、既存の石と合わせて、寒風石の石積みに。
ぼこぼことした、自然石の風合いを活かした積み方なので、家が、山荘のように見えてきました。

DSCN8703.jpg

今回手を入れる庭は、玄関から勝手口へと続く、細長い角地部分がメイン。
敷地を有効利用するため、土留の石積みは園路と兼用させて、アプローチと庭を接続させます。

1-3①

園路は、寒風石の溶岩から、徐々に砂利道へと変化。
石を避けるように、起伏のある山道を登っていきます。

Stei 1

庭は、道を作ってから、周りに木や石を据えていきますが、山中の道は、石を避け、木を避けて、人が歩いて道になっていきます。
人が歩けば道は硬くなり、自然と道の部分が低くなって、そこを雨水が流れる。
雨水が流れれば土が侵食されて、表土の下の岩盤が現れます。
土から出た岩盤が寒気や風雨に触れれば、風化されて砂利になる。
この砂利の山道には、そんな風情を表しています。
今はまだ、道のアウトラインがきれいですが、地苔の侵入と共にくだけた感じになり、野趣味ある道になっていくことでしょう。

道が道になるには、人が歩くこと。
何度も歩いていただくことで、本当の道になっていきます。

2-1①

角地部分の施工前。

2-2①

こちらは、庭面積を多く取るため、直線の枕木で土留めをしました。
植栽は、既存のハウチワカエデやクロモジに合わせ、同種のものを数本と、ウメモドキやマンサク、カマヅカ、アブラチャンなどの山の木を植えています。
みな、新緑や花、紅葉が楽しめる木ばかりです。
実のなる木が多いので、野鳥もやってきてくれるでしょう。

DSCN8733.jpg

道の途中にある石のベンチ。
花植えや草取りの後などに、ひと休みできます。
木々に包まれる中、ただ座っているだけでも、気持ちの良い場所です。

3-1②

反対方向から。

3-2②

敷地の幅に変化があり、園路も曲がりくねっているため、実際の距離よりも庭が長く見えます。
植栽は、屋根下部分にはあまり大きくならない木を植え、真ん中の道の部分を空けて、高木になる木を配しています。
道があることで庭に空間ができますが、この部分は落雪もあるため、冬期は雪のストックスペースになります。

4-1②

勝手口部分。

4-2②

勝手口の床面と道路とは70㎝程度の段差があるため、石段を設けて繋ぎました。

4-6 ③

勝手口から。
降口付近は、既存のみかげ石を加工して合わせました。
既成品でも、ひと手間かけると、そこにしかない形になります。

4-③

山道との繋ぎには、現場から出てきた小石を畳んでみました。
土から出たものは掘り出し物、使い所を考えて活かしてあげます。

DSCN8738.jpg
DSCN8634.jpg

曲がりのある山道の内側には小流れを。
流れがあることで護岸ができ、その周りに山野草を植えると、沢の雰囲気が出てきます。
流れだけに、お手持ちの大文字草も、水を得た魚になりました。
護岸には、苔の付いた溶岩を使いましたが、苔は時間の経過そのもの。
これで、この庭の時間が少し進みました。

4-5 ③

普段は枯れ流れですが、雨が降った時は、流れの風情を楽しめます。

5-1③

勝手口から続く駐車場付近。

5-2 ④

車を入れやすいように隅切りをして、石積みと枕木の組み合わせで土留めを。
この部分が、一番除雪の害を受けにくいため、道路際に植えられていたサツキは、ここに寄せ植えしました。
剪定により、樹高を10㎝~15㎝程度に抑えてますが、このぐらいの低さで維持すれば、雪囲いも不要になります。

5-3④

サツキの裏側は、既存の飛石を利用して、駐車場と勝手口を繋ぎました。
飛石周りの小石も、現場から出たもの。
花崗岩に似ているので、ミカゲの飛石とも相性がいいようです。

DSCN8745.jpg

今回作庭した部分の外観です。
外壁が板張りなので、ちょうどよく、樹木の背景となりました。
この庭は、家の中からは見えないので、どちらかというと、建物を引き立て、道行く人たちに緑の潤いをおすそ分けするようなスペースです。
植えた木はまだ小さいですが、この木たちが2階の窓ぐらいの高さになれば、家を包み込むような森の雰囲気になっているかもしれません。
そうなると、緑の力によって、夏場も涼しく過ごせるようになります。

土の部分には、これからご家族が草花を植えられます。
下草が増えれば、庭はますます野趣味ある姿となっていくでしょう。
楽しみながら、完成させていただければと思います。

Comments 0

Leave a reply