杜の木漏れ日

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カイズカイブキの雪透かし(単木と生垣)~雪に備える剪定~

連日の積雪ですね。
この間は、雪で折れた枝が電線に掛かるなどして、国道で撤去作業をしているのを見かけました。
切り落とされた枝にはツルが絡まっていたので、そこに雪が乗ったのでしょう。
重く湿った雪が降り続くので、各地でこうした枝折れ被害が出ているようです。

さて、雪囲いも終盤に入ってきましたが、先日は、カイズカイブキの剪定(枝透かし)を行いました。

かい1

剪定前です。
夜半に降った雪が枝に乗っています。
夏場に剪定する時は、このような冬の状態を思い浮かべながら手を入れていますが、実際に雪が乗った時に剪定すると、どのような枝を外せば雪が落ちやすいかがわかります。

かい3

木の裏側です。
毎年、この時期に剪定を行っているため、内部には適度な空間があり、枯れ枝などもありません。

かい12 かい13

カイズカイブキの刈込物です。
一般的に、カイズカイブキは外側だけを刈り込むことが多く、刈り込みは萌芽を助長することから、必然、枝葉が増えて混み合います。
そうすると、内部に日が差し込まなくなって、光の届かない枝は枯れる。
枯枝は剪定してあげなければずっと残り、そうした枝はかさばるため、雪囲いの縄が締めづらくなったり、太くて硬い枯枝が支障になり、雪の重みで下がる枝が下がれなくなってしまうなど、木が自分で雪を落とすことができなくなります。

かい16

こちらは、近所の山の杉です。
カイズカイブキと同じく常緑の針葉樹ですが、自然状態の木やそれに近い木は、枝に雪が乗れば枝をしならせて落とし、風が吹けば枝を振動させて雪を落とすなど、置かれた環境に適応して、自分で雪を落としています。
「雪透かし」とは、そんな、野木が自然の摂理で雪を落とすような状況を、庭の木にもつくってあげるということです。

かい2

枝のアップです。
1本の枝にも、雪の乗りやすい所と乗りにくい所があります。

かい4

ちょっと雪を寄せて、雪がどのように乗っているのかを上から見てみます。

かい5

今度は、乗った雪を全部落として見ます。
木の内部に向かって伸びる2本の枝と、外側の上空に伸びる1本の枝の付け根に雪が乗っていました。
こうしたことからも、雪は、前後左右に枝が伸びていると、その付け根の部分に雪が乗りやすいということがわかります。

かい6

下側から見た所です。
付け根部分に雪が乗っているのがわかります。

かい7

付け根部分の枝を少し抜き、このぐらいの空間を空けてあげると、枝の間から雪が落ちてきました。

かい17

木の内側から見た所です。
枝が交差すると、交差した部分は枝が重なってしなることができなくなるため、雪を落とせなくなります。
中から外へ、枝が交差せずに放射状に伸びるよう、そんな枝を残してあげると、雪が自然に落ちるようになります。

かい8

剪定完了。
この木は玄関前にあるため、雪吊りと併用させています。
このぐらい透かすと雪吊りは要りませんが、大雪時の下枝の保護と、吊り縄で低木の縄巻きも兼ねています。

かい9

玄関から見た所です。
枝の間隔や葉の濃淡の程度など、透かしの程度がよくわかります。

かい10

同じ庭にある、カイズカイブキの高垣(剪定後)。
この生垣はこれまで、徒長枝を剪定する程度でしたが、一昨年の春に隣地への越境枝を払うことになり、その際に、上部の枝にも透かしを行っていました。
カイズカは風に強い木ですが、冬にいきなり強く切ると寒さに負けるため、枝透かしをする時などは、春先に大きく枝を抜き、冬にそこから伸びた枝を揃えるぐらいにして、雪に備えます。
これを数年繰り返すと、木も徐々に寒さに慣れてくるので、街なかなどの直接風が当たらない所などでは、この時期の透かしも出来るようになります。

かい11

下から見た所です。
剪定前は30㎝ほど枝が伸び、雪が乗っていました。
ほとんどが上に向かう枝なので、かなりの隙間を空けています。

かい14 かい15

こちらは通常見られるカイズカの生垣。
右の写真は、冬のことを考えて夏場に枝透かしをしていたものですが、やはり雪の乗り方がかなり違うようです。

伸びた枝が30~50㎝程度にもなると、徒長枝と徒長枝の間に雪が溜まります。
この時期は大きな枝抜きなどはできませんが、飛び出た枝だけでも剪定しておくと、雪の枝折れも軽減されるように思います。

以上、雪に備えるカイズカの雪透かしでした。


参考
カイズカイブキの透かし
カイズカの透かし(単木 濃い目)
風倒木の修復

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