杜の木漏れ日

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現代ニッポンの庭 百人百庭 

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白い雪の降る日に、一冊の本が届きました。
「白」という字に「一」を足すと「百」になりますが、「百人百庭」という本です。(「現代ニッポンの庭 百人百庭」)

庭をつくる人が百人いれば、百の個性がある。
「百」という字には「さまざまな」という意味もありますが、この本では、北は北海道から南は沖縄まで、全国各地から世代を超えた百人の作者を選抜、個性豊かで多様な庭の世界を紹介しています。

発行は、庭園専門誌の「」を刊行する建築資料研究社。
企画・編集は、40年近く庭誌の編集に携わってきた豊蔵均氏(創庭社)によるもので、これまで、全国の庭や作庭者を取り上げてきた氏の審美眼が光ります。
現代の庭文化を世に伝えんとする熱い思いが、ひしひしと伝わってくる渾身の作。


いい庭には感動があり、物語がある。
この本では、そんな百通りの物語を、次の五つの章に分けて収めています。

「庭、それは水と緑の惑星を凝縮した 生命讃歌の世界」
「自然界からの贈り物で創る 造形の世界」
「歴史に新しさを積み重ねる 伝統と創造の世界」
「日本の気候と風土に育まれた形を伝え残す 伝承の世界」
「明日の日本の庭を創る 新世代の庭の世界」

この、五つの章の百の物語を読み終えた時には、たくさんの感動が生まれていることでしょう。
そして、感動的な庭や作者のことを、もっと知りたいと思われるかもしれません。
この本には、そんな方々のために、「作者100人のプロフィール」も掲載されています。
これから庭をつくりたいと思っている人や自分の夢をかなえてくれる作者を探している人、あるいは、修業先を探している若者や、優れた庭をつくる同業との出会いを求めている人にとって、とても便利なガイドブックになることでしょう。
建築関係の方にも、ぜひ見ていただきたい本です。

弊社作庭の庭も、「第一章 生命讃歌の世界」で紹介されています。
書店、あるいは、発行元(建築資料研究社)からお求めになれますので、ぜひ手に取ってご覧ください。


〖追記〗
庭には、こうでなければならないといったものは無く、和洋の垣根も無い。
施主と作り手が納得し、木々が生き生きとしていれば、どんな庭があってもいい。
だから庭は、世界に一つだけのものになる。
だから庭には可能性があり、自由があり、未来がある。
日々の仕事の中で、そんなふうに感じています。

では、庭はなんのためにつくるのか。
その答えが、この本の「まえがき(龍居竹之介氏」と「あとがき(豊蔵均氏)」に記されています。

「庭は安心の素」.
「幸福だから笑うのではない。笑うから幸福なのだ。」
「幸福だから庭がつくれるのではない。庭をつくるから幸福になれる。」
「感謝できるから幸福になれる」。

折しも、作庭理念として自分が書いたのが、「笑庭来福」という言葉。

庭が家族の笑顔を呼び、笑顔が日々の暮らしに幸せを呼ぶ。
そして、そこで生きる木々や、庭を訪れる小鳥たちにも幸せを。
これからも、そんな、「生命讃歌の庭」をつくりながら、人々に、動植物に、幸福を提供していけたらと思っています。

掲載いただいたことに、心から感謝。

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