杜の木漏れ日

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森のパイオニアたち(土壌調査と水の誘導)

先月から取り掛かっている井川町の作庭、雪や雨などで中断しながらも、1か月を過ぎました。

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雑木林の中、野鳥のさえずりを聴きながら過ごしたいとのご希望をお聞きしたのが一昨年の夏。
緑豊かな里山の地を見て、この山と繋がる景色をつくれたらと、構想を練ってきました。
家が建ち、一冬掛けて雪の様子を見、そしていよいよ、現場の土に立ちます。

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施工前。

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敷地は、里山の裾野に広がる平地。
山を切り崩した後の造成地とのことで、土質や水はけが心配されました。

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そこで考えたのがこのプラン
建物前に暗渠管を埋設し、庭を横断させた流れに地中の水を誘導、庭奥につくる沼へと引き込み、背後の排水路に水を流すというものです。

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ということで、まずは土壌調査から。
予想通り、土の下は粘土。
3mほど掘り下げた所で粘土層が抜け、乾いた土が出てきました。

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穴を掘って2日後。
雨水と雪解け水で、3mの穴がほぼ満杯。

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集まった水を粘土層の下に浸透させられたらと目論みましたが、これでははけきれない。
背後の排水路まで溝を掘り、ユンボで水をかき出して流しました。

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試しに、建物と平行に溝を掘ってみると、あちこちから水が浸み出してきました。
この雪解け水はきっと、後ろの山から浸み出してくるものでしょう。
その水が建物の基礎下をくぐり、庭へと流れてきているようです。

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そんな、水の流れを図にしてみました。

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そして、当初のプランを変更。
山からのしぼり水を受けられるよう、縦方向の暗渠を横に変え、法面下の排水路まで導くことにしました。

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里山下の敷地に生える植生は、アカマツやヤナギなど。
これらは、伐採地や崩壊地など、樹木が育ちにくい裸地に真っ先に生える樹種で、「パイオニア」と呼ばれています。
パイオニアは、「開拓者」であり、「先駆者」の意味。
新たな森づくりの最前線に立ち、樹木が暮らせる環境を創っていく先発隊が、この木たちです。
粘土質で水はけの悪い土地での庭づくりは大変ですが、ここは、これから森になっていく所。
そんな意味でもこのアカマツたちは、困難に立ち向かう勇気を与えてくれる希望の印です。
そう思うと、このアカマツたちがとてもかわいく、たくましく見えてきます。
このパイオニアたちに助けられながら、庭づくりを進めていきたいと思います。

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