庭の点検

先週の雨の日、先月竣工した庭の点検に行ってきました。

しぼり水 (1)

作庭時、排水路として掘った溝の途中から、清水が湧き出しています。

しぼり水 (2)

しぼり水 (3)

庭に集まる水を自然勾配で外まで誘導するための溝ですが、途中にも穴を掘り、地下に自然浸透させる仕組みです。
溝は深さ1mほどありますが、その下は粘土層。
そこをさらに2mほど掘ると粘土層が抜けます。
通常は、コンクリートやプラスチック製の自然浸透枡を取り付けるところ、ここでは人工の枡を使わず、透水や浄化作用に優れた軽石を大量に詰めていました。
お施主さんに聞いたところ、雨が降らなくてもきれいな水が常時溜まっているそうです。
穴を掘ると周りから水が集まりますが、そうした水が地下に浸透しつつも、地中から絶えず水が供給されているようです。
水が停滞すればドロドロによどみますが、動きがあれば水は澄む。
これだけ水が澄んでいるのは、常に水が流入しているということ。
この水は、裏山に浸みこんだ水が地下に潜ったものですが、穴の許容を超えると、そこから続く溝へと流れていきます。
地下の水が地表に出て流れになる。
そうした意味では、この庭に出現した水は「伏流水」といえるかもしれません。

kusa (2)

完成後も雨が少なく、木々の様子が心配されましたが、お施主さんの水やりのおかげで、1本も枯れること無く元気な姿をしていました。
驚いたのは、すでに草が生えてきていること。
土壌改良の成果が出たのでしょう。
硬い既存土に樹木の根が張っていけるよう、山砂やバーク堆肥、燻炭などを丁寧に漉き込んでいましたが、草も生えにくかった土に野草が生えてきていることをとても嬉しく思いました。

草が生えて喜ぶのも変かもしれませんが、草が生えれば土が落ち着き、土中に侵入する根がさらに土を耕してくれます。
土壌改良はスコップでの手仕事。
共に汗していただいた、ご家族の労力の賜物です。

この日は久しぶりにまとまった雨が降りましたが、地中の排水に気を遣い、地表にも勾配が付いていることから、庭には全く水が溜まっていませんでした。
水は高きから低きに流れる。
この当たり前のことが、当たり前に機能しているようです。

ikawakannsei (13)
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「伏流水」の上には溝を掘った時の土を盛り、山をつくっていましたが、硬い粘土でゴロゴロしていた山が、とても穏やかな姿になっています。
なんと、ご家族が堆肥を漉き込んでくれたそうで、荒涼としていた山に温かみが出てきました。
少し時間は掛かりますが、ここにもやがて草が生え、緑の三日月山になってくれるでしょう。

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突然の訪問でしたが、点検後、いつもの席でお茶をごちそうになりました。
二か月間通い、毎日のようにここでお昼や一服をさせていただいたせいか、ここに座るのがとても自然なことのように感じられます。
3か月前は更地だった窓からの景色。
そこに山ができて木が植わり、向こうの山と繋がりました。
ここに座るのが自然なことのように、庭もまたこの土地にあるべきものとして、馴染んでいってくれればと思います。

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