前庭の改修(山形市で竹垣づくり)

気が付くと、2か月近く仕事の記事を書いていませんでした。
お盆明けから手入れ仕事が続いていましたが、暑さもおさまってくるこの季節は、いよいよ作庭シーズン。
今回は竹垣づくりがメインですが、涼しくなると竹の伐り出しも始まります。
青竹の入荷を待ち、自社で仕込みをしてから、山形市まで出かけてきました。

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改築されて、新装となったお茶室の玄関前。
道路と建物の距離が近いため、悪天候の時などは泥はねが生じるそうです。
建物は道路に対して斜めに位置し、道路際の側溝と玄関タタキの距離は、狭い所で10㎝ほど。
ここに竹の仕切りを設けて下草を植え、泥はねをやわらかに防ごうという寸法です。

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もともと、塀やコンクリート通路のあった所。
その基礎上に、改築時に新設されたタタキやアプローチが乗っています。
雨落ち砂利の下部にもコンクリートが打たれているので、まずは、そのコンクリート基礎を突き破り、竹垣柱を埋め込む穴を掘る。
工具を使うとタタキも壊してしまいそうで、道具は金テコとダブルスコップのみ。
慎重に、丁寧に、かつ、力を込めながら、コンクリートを粉砕していきます。
コンクリートを抜けると、今度は玉石の層。
頑丈な仕事に感服しながらの作業が続きます。

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そんな柱の穴を11本掘り、ようやく骨組が完成。
ここまで来ると、先が見えてくる。
写真は、仕事終わりの夕方に撮ったものですが、解体で疲れた体には、朝の光明を見る思いです。

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そして完成。
バレーボールは、1人より2人の方がブロックが効く。
そんな効果を期待して、四ツ目垣は立子を2本使いにしています。
その前面には青竹と同化するトクサを植えて、ブロックをさらに高める。
四ツ目の立子は1本使いだと簡素でわびた風情になりますが、2本にすると重厚感が増し、格が高くなります。
玄関前なので、格調の高さも大切。
家を引き立てつつ、家を囲う塀の役目を持たせ、泥はねを防ぎながら、庭としての景色を成立させる。
実用だけだとただの柵ですが、そこに景色が加わると庭になります。
千利休は、露地の飛石の打ちようを「渡(実用)6分に景(美観)4分」と言いましたが、必要から生まれた実用美こそ、暮らしの庭。

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入り口部分は、観音開きの木戸。
ご家族とともに、開閉のしやすさや玄関への入りやすさを検討、調整を繰り返してこの位置となりましたが、ちょうど、庇の下に入りました。
土際に水が溜まると柱の腐食が早まります。
柱には丈夫な青森ヒバを使用していますが、基礎コンクリートを突き破り、下層まで抜かしたことで、地際に水が溜まらずに浸透していきます。
これは、そこに植える下草にとってもいいこと。
穴掘りは大変でしたが、この穴から様々な効果が期待できます。

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奥行きの無い敷地の前面ギリギリに塀や竹垣を延長すると、構造物の硬さや狭さが助長されます。
多少セットバックさせて手前に余裕を作ると実際よりも広く見え、そこに植栽が入れば庭になり、やわらかみが増してくる。
柱が目立つのも景色を硬くするので、6間ほどの竹垣を角度を変えて小分けにし、端々に既存のドウダンを植えて硬さを和らげました。

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竹垣の配置を平面図にすると、このような感じです。

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ということで、完成。
こちらのお宅は先に露地をつくらせていただきましたが、土中から出た石や家の床下から出た土台石を飛石として使い、植栽も、周囲の山々に自生する樹種を植える等、家の歴史を活かし、山形の気候風土に合わせた庭づくりを心掛けました。
今回の素材は、青竹は三陸産で、柱とトクサは青森産。
竹は今、中国産が主流になりつつありますが、そうした中でも、東北の素材を活かすことができたのは嬉しいことでした。

新装したばかりの庭ですが、ご家族の暮らしに馴染み、家に馴染み、土地に馴染む庭になっていってくれればと思います。

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