杜の木漏れ日

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生垣の生長

ドウダン透かし 4

この間、ドウダンツツジの玉物を透かしに直している例を紹介しました。
このドウダンには、新たに目隠しの役目を持たせるために、自然樹形に導きながら樹高を高めている最中ですが、初めから目隠しの役目を持たせるために育成しているのが下記の生垣です。

2015 - コピー

2004年に植栽した生垣ですが、10年経過して、ほぼ目隠しの役目を果たせるようになってきています(2015年撮影)。

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同じ年の落葉した姿。
刈り込んでいないので、やわらかな枝ぶりをしています。

2007 (2) - コピー

2007年時の姿です。。
樹高1m程度の木を植えてその後は放任育成、植栽時から20㎝程度背が高くなっています。

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2009年。
お隣の窓の高さに達してきました。

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2010年。
新芽が伸びて窓の高さを越えてきました。
この頃から、隣地越境の枝を透かしで切り詰めています。

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2013年。
もう少しで、窓が隠れるぐらいの高さになってきています。

2015 - コピー

そして、2015年。
枝が混み合ってきたので、前部(アプローチ側)の枝も透かしました。
10年間、上部の切り詰めは行っていませんが、だいぶ、成長も落ち着いてきたようです。
赤線部分が植え付け時の高さですが、現在はその倍以上の高さになり、目隠しの役目を十分果たせるようになってきました。

この生垣は、左から右へと山なりに低くなっていますが、歩行や越境支障となる側面部分を透かしで切り詰める分、支障の無い上部を伸ばしていたら、自然にこのような形になってきました。
これは、右手にあるブナの木の影響で、ドウダンの上にブナの下枝があるために、自然に伸びが抑えられています。
置かれた環境下でドウダンが自身の体を適応させている状態ですが、こうした状態が「自然樹形」。

同種同大の木を同じ庭に植えても、日当たりや風当たりなどはその場所で違い、木自身の個体差もあるために、高さや枝張りはまちまちになります。
生垣だからといって、天端(上部)を平らにしなければならないというわけでもなく、すべての木を同じ形にキッチリ刈り込まなければならないというわけでもありません。
みんな違ってみんな良く、個々が集まる全体で森のような林冠を形成していけばいいのです。

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森が、自然にこうした姿になっていくように、このドウダンたちも、自然に、このような山波形になっていきました。

1-1

こちらは、二ツ井小学校前のケヤキ並木ですが、やはり山波形になっています。
木々を無理やり整形的な枠にはめ込むのではなく、個々の個性を尊重すると、自然になだらかな全体になっていきます。

2015 (2)

生垣は「四角四面」のものと思われている所がありますが、場所によったもの。
この庭は、ブナやヤマモミジの多い自然な雰囲気の庭なので、外周の目隠しも、その雰囲気に合わせてランダムにしています。
施主さんはこうした状態を見て、『命の息吹を感じる』と言われています。
庭の手入れは、「樹木の成長をコントロールするもの」でもありますが、息吹を摘むのではなく、息吹を活かす。
制限のある部分は切り詰めても、空間があれば伸ばしてあげる。
木同士が空間を分け合えるように導いていくことも庭の手入れ。
そんな考えのもと、これからも樹木の成長を見守っていきたいと思っています。

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